世界中でヒットしたあの「使いきりカメラ」を開発
1947年、甲南大学の写真部OB仲間が集まって、趣味で小型カメラを作りました。当時のカメラは高級品で大きく重く、プロ仕様のものばかり。「もっと気軽に誰でも楽しめるカメラがあればいいのに」と、学生ならではの素直な発想で生まれたのが、小型で軽量、操作も簡単な16ミリフィルムカメラ「コーナン16」です。それがある大手メーカーの目に留まり、年間で受託研究をすることに。大手メーカーから名前を変えて発売された「コーナン16」は、瞬く間に世界的大ヒットとなりました。1980年代に世界中で大流行した「使いきりカメラ」は1960年代に考案、今ではどの写真にも付いている日付も「整理がしやすいように」と同社が開発したもの。「自分たちの欲しいカメラを作りたい」という純粋で熱い想いは、結果として数多くの世界的ヒットを生み出すことになりました。
その後、時代の流れとともにカメラ開発の分野からは卒業、同社が次に目をつけたのは眼科の検査機器でした。カメラの構造と目の構造はよく似ているため、同社の研究が活かせる分野だったのです。現在の主力製品は、角膜内皮細胞撮影装置「スペキュラーマイクロスコープ」。眼科手術の前後で使われる「角膜内皮細胞撮影装置」は、世界的権威といわれるロンドン大学の教授からの依頼で作ったもの。「ほとんどの大手光学機器メーカーに『儲からない』と断られた末に『西宮に小さいけど、面白いものを作る会社がある』と噂を聞いてうちに来られたそうです(笑)」と池上哲治社長。売れるかどうかわからないけど「写したい」という先生の夢に応えたいとの想いで開発した結果、こちらの製品もかつて世界シェア約70%を達成、今でも40%を誇る同社の主力製品となりました。
失敗を恐れず、可能性にチャレンジしよう
これまで数々の世界的ヒットを生み出した同社ですが、失敗もたくさんあるとのことです。「実は、当社が最初に開発した手持ち無散瞳眼底カメラは画期的な開発だったにもかかわらず学閥やマーケティングの失敗で売れませんでした」。しかし、特許を大手光学機器メーカーに譲り、大手が他の診療科の先生方でも使えるような機械にして発売したとたん注目を集めることに。「ここで私たちは教訓を得たんです。マーケティングの大切さ、世界に視野を広げること、世界トップレベルの医師に教示を仰ぐこと」。この教訓は、社内にその後も引き継がれています。今後も「いい意味で素人集団でいたい」と池上哲治社長。「不可能なことでも‘できるかもしれない’と思えるのが素人のいい所。好奇心とチャレンジ精神が大切だと思います」。現在、「予知・予防」をキーワードに首から上の器官の検査機器の開発が進行中。趣味のカメラの開発から、最先端医療に貢献する現在の姿へ。「素人集団」の挑戦は、まだまだ続きます。
結婚、出産後も働ける環境が魅力
将来は営業事務として仕事の幅を広げたい
OA機器の輸出入を行う会社からこちらに転職しました。営業事務の経験が活かせて、長く勤められる会社を探していたとき、こちらが目に留まりました。結婚や出産をしても職場復帰しやすい環境も魅力でした。現在、他部署に実際に出産後復帰されてがんばっておられる先輩がおられるので、自分自身もキャリアプランが立てやすいです。仕事は経験が活かせる部分もありましたが、医療機器の分野ではもちろん素人。顧客からの応対などにスムーズに応えられるよう製品のことを一から覚え、勉強しました。今の業務は、国内受注業務や修理受け付けがメイン。細かな業務が多いので、自分で優先順位をつけて効率よく仕事をこなしていくことが大事かもしれませんね。将来は、生産依頼や販売計画にも関わってみたいです。そのためには、在庫や販売状況を予測し、的確に判断する必要があります。業績を左右する難しい仕事なので、もっと経験を積んでいきたいと思っています。