「ごみの減量」に取り組む廃棄物処理業者
創業以来50年以上もの間、西宮市の一般廃棄物収集運搬を担ってきた同社。赤澤健一社長は、常に「事業の社会化」を目指してきたといいます。「一昔前まで廃棄物処理業というとグレーなイメージがありました。しかし、ごみは人々の生活や地球環境と切り離せないもの。エコへの取り組みが当たり前になった現代において、私たちは環境や社会に大きく貢献できる業界でもあるのです」。廃棄物処理という仕事を通して社会や環境に‘いい循環’を生み出していくため、同社では、地域の人々や事業者へごみ減量化を提案したり、廃棄物処理におけるCO2削減に取り組むなど、環境活動に積極的に取り組んでいます。さらにそれらの活動を毎年‘CSR報告書’にまとめ、広く公開することで、自らの事業の社会的責任を社内外で共有しています。
2011年度からは遺品整理や高齢者宅の住空間整理を行う「おかたづけサービス」をスタート、それまでどこへ頼めばいいかわからかった遺品整理や高齢者宅の住空間整理をサービス化し、「高齢化社会に貢献する新事業」としてマスコミなどからも注目を集めました。「それまでも、時々遺品整理などの依頼はありました。困っておられる依頼者に現場で会ってお話を伺ううち、高齢化社会における遺品整理や住空間の「おかたづけ」のニーズを強く感じるようになりました」。「言葉が事業を生む」と赤澤社長。「きちんと言葉にして明瞭な料金とサービスを提示することで、潜在的なニーズが顕在化します」。このおかたづけサービスは、依頼者の支持を得て全国展開し、今では売上の2割を占める事業にまで成長しています。
さらに、2年前からは不用品を海外で販売する「リユース事業」を展開。「おかたづけサービス」での不用な家具を処分することなく海外でリユースさせるというモノの循環を作り出しました。「経済発展が進むアジアで日本の中古家具は人気です。『捨ててしまうのはもったいないけれど、どこかで大切に使ってもらえるなら』と、依頼者からも喜ばれています」と、赤澤社長。同社は、早くて来年にはアジアの拠点を持つ予定。「当面は、不用品の販売先の開拓やアジアのマーケティングを行うための拠点ですが、今後、弊社がアジアでどう展開していけるのか探っていければと思っています」。
新規事業は、社員のモチベーションのため
新規事業を展開し、現在、全国に2拠点4営業所を持つ規模にまで成長した同社。もともと安定した基盤を持つ企業でありながら、新規事業にも視野を広げる理由のひとつは、「社員のモチベーションのため」といいます。「おかたづけ事業は、立候補した若手社員10名ほどで立ち上げました。仕事というのは、自分の将来が描けてこそモチベーションが維持できます。新規事業を自分たちで立ち上げて、自分たちのアイデアで形にしていく。それが既存事業にもいい影響を与えて、いっそう会社全体に一体感が出るといったいい循環ができれば」と赤澤社長。
同社では、今年に入って外部の専門家を招いての「コーチング」を始め、約80人の社員が月1回4時間、4ヶ月に渡るコーチングを受講しています。「会社の規模が急成長している今、これまでの50年で培われて来た会社の文化も見直す必要があります。社内の人間だけでなく社外からの意見も取り入れ、社員みんなで組織を成熟させていきたいですね」。

女性ならではの視点で「伝える」仕事を楽しみたい
まだ入社して2年なのですが、今年から営業企画課の主任として仕事をしています。弊社は「おかたづけサービス」を開始したことで、ターゲットが主婦などの女性にも広がりました。私は、女性の視点からホームページやなど広報物を見直したり、「おかたづけの手引き」や「遺品整理の手引き」など一般向け冊子を作るような仕事をしています。「終活」という言葉が注目されるように、高齢化社会において「自分が元気なうちに片付けておきたいけれど、どこから始めればいいかわからない」という声はよく聞かれます。そのような方々にどのように訴求していくのか、自分なりに考えて作る仕事はとても楽しいです。この会社はやろうとしていることを否定されることがないので、安心して意見が言えるのがいいところだと思います。社長は社員を信用してくれていて、そのせいか時にものすごく大きなお題をポンと投げられることがあるんです。社長が描く絵にきちんと色を付けられるように、これからも柔軟性を持って仕事をしていきたいですね。(冨士谷真波)
憧れていた海外出張が、入社半年で現実に
入社して1年です。本当はグループ会社の株式会社リヴァックスを受けたのですが、「語学力のある人を探している」と、リリーフでの採用になりました。大学で学んだことを活かした仕事に就きたいと思っていたので、私にとっては願ってもない配属でした。この春から「海外リユース事業」に携わり、入社半年にして海外に出張も実現しました。周りの方にサポートしてもらいながら商談の通訳をしたりバイヤーと打ち合わせをしたりすることは、どの会社でもできるという経験ではないので、自分にとって大きく成長できる場だと感じています。こちらで働くようになってから、実家の家族に電話をして自分の仕事について話すのが楽しいです。両親もやりがいを持って働く私を見て、とても喜んでくれています。(竹内桐子)
会社に貢献すればするほど環境が良くなると思えば、自然にモチベーションも上がりますね。