コツコツ積み上げた「改善活動」が最大の強みに
株式会社ウエダの仕事は、大手スーパーやコンビニエンスストアなどの物流センターに営業所を置き、クライアントの物流全般を引き受けること。「物流のアウトソーシング」として、多種多様な商品の在庫・入出庫・仕分け・ピッキングの倉庫内作業を行っています。「クライアントの物流部門として顧客密着で仕事を行うため、この仕事は信用が第一です」と総務人事部・人材育成法務課長の雑賀努さん。同社では、創業以来63年、信用と実績を積み重ねることで事業を大きくしてきました。「物流は、メーカーのように目立つ新製品を出して他社と差別化することはできません。他社と差別化のしにくい請負作業だからこそ、選ばれるためには信用と、それに対する並ならぬ努力が必要なんです」。
社内で行われる「改善発表会」は、そのための取り組みのひとつ。各営業所ごとに「安全面の強化」「仕分けミスや破損防止」「作業効率の向上」など、仕事の品質向上のための「改善活動」を行い、その成果をプレゼン大会で競い合うというもので、年1回の全国大会で優勝した営業所には賞金も贈られます。「改善活動は、現場の作業品質の向上はもちろん、そこで働くスタッフが日常的に問題意識を持って日々の仕事に向き合うという姿勢にもつながっています。みんなが楽しく取り組むことで、仕事へのモチベーションアップや現場に一体感も生まれ、弊社の大きな‘強み’となっています」。
特にここ10年で急激に業績を伸ばし、現在、営業所は全国25カ所と、全国規模の企業へと成長した同社。意外にも営業といわれる業務に特化した部署はなく、新規顧客のほとんどが、既存顧客の口コミや紹介によるものだと言います。「弊社は‘普段の仕事が一番の営業’だと考えています。日々きちんと仕事をしてクライアントの信頼を得ていれば、それはつながり、広がって行くものです。正直、物流の会社はたくさんあります。だからこそ、営業マンが営業先で多くを語るよりも、普段の仕事でアピールしていこう。このような地道なスタイルは‘凡事徹底’という言葉で社員やパートさんにまで浸透しています。この生真面目さは弊社の社風ともいえるかもしれませんね」。
グループ会社の連携強化でさらなる飛躍を
株式会社ウエダには、株式会社ユービーエム、株式会社ユーパワーロジという2つのグループ会社があります。すべて物流会社ではありますが、株式会社ウエダは、主に商品の在庫・入出庫・仕分け・ピッキングの倉庫内作業を行い、株式会社ユービーエムは仕分け後の商品の輸送、株式会社ユーパーワロジはその両方を行っています。将来はグループ企業である強みを生かし、「入荷から在庫管理、配送まで」物流にかかわる全てを一貫して引き受ける「総合物流企業」として、さらなる発展を目指しています。「弊社には60年以上蓄積してきたノウハウがあります。今後はグループ会社と連携して、入庫から配送に至るまで最も合理的で低コストな物流システムを構築・提案し、運営まで一括して対応していきたいと考えています」と雑賀さん。着実に成長を続けて来た同社は、次なるステージに向けて新たなるステップを踏み出そうとしています。
社員インタビュー
現在入社4年目で、ポートアイランド中央営業所の管理者をしています。大手家具会社の倉庫で出庫された商品を所定の位置に配置し、検品するといった一連の流れを管理する仕事です。
この仕事は、トラックの到着時間が遅れるなど、毎日何らかのイレギュラーが起きます。その度に臨機応変に対応し、決まっている出荷時刻に間に合うよう仕事を進めなければいけません。人を動かしたり人の配置を工夫したり、あらゆる方法でロスタイムを縮めていかにして時間内に仕事を完結させるか。常に現場の全体を俯瞰して対応するのは時に難しいことですが、全員で約50人ほどいる現場の人の協力でうまく乗り越えられたときは、とても達成感がありますね。
弊社では会社として「改善活動」に力を入れていますが、当営業所でも、より効率よく作業をすすめられるようなアイデアや工夫で人件費削減をクライアントに提案するなど、日々小さな改善を続けています。それがクライアントからの信用にもつながっていると思います。今後は、所長の片腕となって業務のサポートができるよう、頑張りたいと思っています。