高品質を支える「開発力」と「技術力」
株式会社GEOソリューションズは、地図データの作成を事業の柱に、地図作成に必要なシステムの開発やCADの開発まで手がけています。2005年設立の若い企業ですが、地図作成の技術自体は90年も昔に開発されたものです。もともと地図作成技術は軍事目的開発されたもので、「立体視」という原理を利用して精度を保持した地図を作成する仕組みです。当時はアドバルーンを飛ばして1箇所を2方向から撮影した写真から地図を作成し、正確に敵地を把握していました。その後、地図は様々な分野で使用されるようになりましたが、地図作成には数千万円という高額な機械が必要で、毎年、調整費用だけでも百万円単位で必要な業種。地図作成は「大手企業にしかできない仕事」でした。
それが、20年ほど前に機械からパソコンソフトへと技術が推移し、技術さえあれば中小企業でも参入できる業界になったのです。
株式会社GEOソリューションズは、セスナなどで上空から撮った写真から地図を作る「計測技術部」と、計測技術部が地図を作る際に必要なシステムを開発する「開発部」で構成されています。
開発部は新たなシステムを開発することで、計測技術部の仕事の効率を上げることを目的としています。一般的に地図を作成するシステムは1ライセンス500万から1000万円で販売されており、購入したソフトで地図を作る会社が多い中、システムから作っているというのは当社の特徴と言えるかもしれません。
また、それぞれの案件ごとに合わせたシステム開発も行っています。人為的なミスを抑えられる工程を含む業務は、開発側で地図作成の一部を自動化したり、検査をシステム化して自動抽出させたりするなど、品質の向上や工程数の削減にも開発能力を発揮しています。
新しい発想と、チャレンジ精神を大切に
当然ですが、地図制作は精巧さが求められる世界。現在、年間で約180もの案件を抱えていますが、これは、ひとつひとつの案件に「誠実さ」と「開発力」「技術力」で応えることで、信頼につなげてきた結果であると考えています。
今後は、CADの自社開発も視野に入れています。安価な海外生産製品との差別化や、日本の高い技術の伝承など課題もたくさんありますが、忘れてならないのはチャレンジ精神です。蒸気機関車ができて200年、地図技術が確立して90年。技術はめまぐるしいスピードで進化してきました。これからだって 何が起こるかわからない。いくつ成功するかわからないけれど、人が想像できないようなことに新たな発想で挑戦することが大切です。
「もの作りが好きでたま らない」そんな人たちが力を存分に発揮することで新しいものが生まれ、利益につながる。そんな会社でありたいと考えています。
社員インタビュー

石川富浩(入社5年)
姫路工業大学工学部卒業
大学を卒業後、教員を目指して勉強をしていたときにアルバイトで働いていたのが株式会社GEOソリューションズです。大学が工学部だったので「データ入力 などパソコンを使う仕事なら」という軽い気持ちで始めたアルバイトでしたが、開発部の先輩から声をかけてもらったことと、とても働きやすい会社だったこ と、そして教職への想いが揺らいでいたこもあり2年後に入社を決めました。
今は、開発部で地図を作るためのシステムの開発をしています。開発という仕事 は、設計が頭の中にあっても実際にやってみると立ち行かないこともしばしば。毎回試行錯誤ですが、日々、何もないところから一から作る楽しさを実感してい ます。
この5年間で一番印象的な仕事は、地図のラインにセル(記号)を乗せるときに使う「ラインセル発生ツール」を開発したことです。何度も失敗を繰り返 した末にようやく完成させたとき、この世にないものを生み出したという達成感と、もの作りの面白さを実感しました。
このシステムは社内で実際に使われてお り、地図作成に役立っています。自分が開発したツールが社内で実用化され、ものづくりの楽しさを実感しています。 今後は、CADソフトの開発にも携われるよう、しっかり勉強していきたいですね。
「地図作成の仕事は一人前になるのに3年以上はかかるため、働きやすく続けやすい職場環境作りを大切にしています。じっくりと開発に向き合ったり職場で気軽に議論するためにも、居心地がよく風通しのいい仕事環境も大切だと考えています。